第3章(上)

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「あ、待った」  またまた、ギンさんが急に止まって言った。 「エナちゃん、眼鏡掛けて。それと頭に何か被れるもの持ってる?」  あ、そっか。街に入るんだから悪あがきのカムフラージュをしなきゃね。  私はポケットに仕舞っておいた変身(?)アイテムを取り出し、身につけた。  装着した私を見つめるギンさん。 「ハハ……かわい。んじゃ、行こー」  笑われた!? しかも何か何か引っ掛かる台詞だったんですけど。まぁいいか。それよりも気になる事が…… 「いい加減、降ろして欲しいんですけど」  流石に街の中じゃあ恥ずかさアップ。注目度もアップ。私が漆黒の女とバレちゃうじゃないか!  私の言葉を聞いてないかのように、彼は近くの露店に歩み寄る。  私は、その露店の台に乗ってある1つの商品に目を奪われた。
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