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私は咄嗟に足を後ろに引いた。
「それくらい1人で出来ます!! ……わざわざギンさんの手を煩わせる訳には……いけないので」
ビックリした……。私は子供かよ!? そこまで世話を焼いてくれるのか、この人は。
まさかギンさんも私の事、ペットか何かと思ってない……よね?
何か有り得る……。
ナンパ男じゃ無ければ追い剥ぎでも無くてペット扱いですか!?
まぁ、1番害がなさそうだから良いか……。いや、あんまり良くないか?
「いいじゃん。やってあげるよ」
「結構です」
即時に答えたのが応えたようで、ギンさんはガックリとして小さくなっていた。
私はその間にブーツの紐を縛った。
あれ? けど……
「ギンさん! 私お金持ってない!」
そうだ!
私、一文無しじゃないか。お金を返せないし、借金するのも嫌だ。
稼ぐって言っても、私みたいな怪しい女を雇ってくれる所なんて無いだろうし……。
そんな声にギンさんは立ち上がった。
「え? プレゼントって言わなかったっけ?」
けろりとした表情で、彼は言った。
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