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……あれ? この人、物凄くいいひとですか!? それとも私が物に釣られてそう思ってるだけですか!?
ともあれ、追い剥ぎとか変質者とか言ってごめんなさい……。
「あぁ、けど1つだけ」
私はびくりとした。
何だよ! やっぱり条件があるのかよ! 前言撤回。
「あのね、可愛らしく『ギン』って呼んで」
何か前にもそんな事言う子がいた記憶が……。ギンさんって、あの姉妹を足したような人だな。
呼ぶのは構わないが、冒頭の部分が少し引っ掛かるのだけど。
「駄目?」
そ、そんな子犬の様な目で見ないでくれ……。
けどそんな事で良いなんて欲がないのかな?
私は彼に1歩近付いて両手を後ろに回し、指を交差した。
私より背の高いギンさんをちらっと見る。
そして首を傾けて、上目遣いってヤツ。
「あ、ありがとう……ギン……」
…………っ。
き、気持ち悪い!
ぎもぢわるい!!
自分が嫌になるっ!
首を傾げて上目遣いで……って、これが世間一般でいうモテポーズなの?
只の頭のいかれた女じゃないか!?
「私はアホか……」
小さく呟き、私は溜め息と共に項垂れた。
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