第3章(上)

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 私の心のダメージとは裏腹に、店の前だというのに悶えながら別のダメージを受けてる人が1人。  私が呆れながら見ていると、彼はスッと立ち上がり近くに来た。 「エナちゃん可愛過ぎ。オレ、キュンキュンしちゃった。何つーか……ハート撃ち抜かれちゃった~」  あ、あれがカワイイ!?  私はフリーズした。自分の気持ち悪さと、目の前で恥ずかしい台詞をポンポン言う男に。  世の中ぶりっ子がモテるのはこんな馬鹿な男が多いからか!?  ……フラフラする。ブーツなんかの為に何やってんだ私。  頼りない足取りで店から離れようとすると、ギンさんが笑顔で話し掛けてくる。 「もう、エナちゃんスッゴい可愛い! 抱き締めてもいい??」 「嫌」  私の即答にギンさんは打ちひしがれる。 「く……更にハートを撃ち抜かれてしまった……うぅ、でもオレ負けない」  何と勝負してるんだか……。
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