第3章(上)

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「金は結構あるよ」  おいおい……お前は何処の成金オヤジだッ! 「いや、お金とかそういう問題じゃなくて――」  けど、何で拒否ってるんだろ私。ギンさんは悪い人ではなさそうなのに……。  そんな事をぐるぐると考えていた時、あるテントが目に付いた。  テントの周りに集まってるのは筋肉質な男や、華やかな服を纏った老齢の男性。その隣に煌びやかな服と貴金属を身に着けたマダムらしき人。皆、テントへ続々と入って行く。  けれど、若い女性や親子などはテントを避けて素通りしている。  しかも嫌そうな顔で。  子供に至っては走りながら通過している。  私は不思議に思い、怪しいテントに近付いた。
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