第3章(上)

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「お姉さん、見て行かない? 見るだけなら無料だよ。それに嫌にだったら途中で出て行っていいからさー」 「無料!?」  私はその単語にも反応し言葉を発してしまう。 「じゃあ決まりだね。見て行きなよ。あっ、よかったらお兄さんもどうぞ」  青年は私の背中を押してテントへと連れて行く。  ギンさんは明らかに不機嫌そうな顔をしている。  私はそんな彼の手を取った。  嫌な予感しかしないけど、少しだけなら行ってもいいかな……タダだから。
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