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テントに着くと、ギンさんは虚ろな目をして下を向き、ぶつくさと何か言っていた。
「来てしまった。来る気はなかったのに……けどエナちゃんに手を握られたんだよ。男として一緒に行かなきゃ……。あ~、エナちゃんの手、柔らかかったな。あわよくばもう1回……」
……何言ってるかは私には聞こえません。
それより、まだ始まらないのかな?
私はワクワクと胸を高鳴らしていた。
完全にサーカスか何かと勘違いをしていたのだ。
親子が避けるサーカスなんて聞いた事ないのに。
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