第1章

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 私の縛られてる処刑台らしき柱の下にいる男に対して何かを喋っている。 『さっさと殺して』  そう聞こえた。……き、聞き間違いだよね?  でも少年のギラギラと光る殺伐とした眼光が私に刺さる。周囲にいる大人たちの視線もナイフのように鋭い。 ――殺して……?  私、何かした?  この子に何か迷惑かけた?  何故こんな事になってるの? 意味がわからない。  そんな事を考えてると段々気分が滅入って来る。一度消極的な思考になってしまうと、全てが敵に見えてしまう。 ――どう殺されるのか……。 ――死んだらどうなるのか……。  様々なネガティブな考えが頭の中を駆け巡った。  身体全体に吹き付ける冷たい空気。悄然となった私は目を閉じ、項垂れてしまう。  ここは夢なのか現実なのか……私は生きているのか死んでいるのか。このどうしようもない状況に困惑したいが、それすらも出来ない複雑な感情があった。  その時、ドーン!! と鼓膜が破れそうな程の大きな音が耳を突き抜けた。
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