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ざわさわざわ……
何やら野次馬たちが騒がしい。先程集まっていた人々が落ち着かない様子の喧騒が聞こえる。
「キャー!!」
「ト、トロールよ!」
「やっぱり禍がッ!」
トロール?
……甲高い声に触発られ、瞼を上げた。
目の前には、さっきまで冷たい視線で私を見ていた人たちが奇声を上げながら逃げ回っている。慌てふためきながら各々その場から移動していた。正しく混乱という言葉がピッタリだ。
その中心に居たのは約4メートル……いや5メートルを超すであろう緑の肌をした巨人。
多分、この巨人が皆の言うトロールなのだろう。
見た事のない大きさと肌の色に鼓動が早くなるのがわかった。驚きと戸惑いと共に激しい胸騒ぎがする……。
一体のトロールの周りを兵士たちが囲む。
弓やら何やらで攻撃をしてるようだけど、全く効いていないみたい。
するとトロールは拳を高く上げ、地面に振り落とした。
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