第1章

6/53
前へ
/906ページ
次へ
 言葉にならない程の爆音と地響き……。  その音で、更に騒然となる住民たち。 「耳が痛い……」  私はその凄さと痛さで目を閉じてしまう。何が起こっているのかわからな状況で、しかも自分に被害が及んでいるなんて……何だこれは。  激しい耳鳴りが余韻のようにずっと続いている。そのせいで頭痛もしてきた。  あれ……?  何だか身体が斜めになっている気がする。重力で後ろに倒れてしまいそうな……私の感覚が可笑しいのか?  もしかしてさっきの地響きで処刑台……じゃなくて柱が倒れかかってるとか?  パッと目を開けると、青色が広がる空と白い千切れ雲が飛び込んで来た。  先程見た景色とは違う。やっぱり斜めだ。柱が傾いているみたい。  もしかして逃げられる?  私は勢いをつけ、何度も何度も身体を揺さぶった。逃走する事だけが頭の中にあり、必死で身体を揺さぶった。  何度目かの時に身体が後方に倒れる。 「や、ヤッタ!」  そう思うものの、この高さ……結構半端ない!  奇声をあげるよりも前に、私は地面に叩きつけられてしまった。倒れる事はわかっていた筈なのに、頭になかった。 「痛た…………」  ……けれどこれくらいの痛み、死ぬよりマシだよね。  柱は壊れ縄の解けた私は腰に手を当て、その場を離れた。
/906ページ

最初のコメントを投稿しよう!

534人が本棚に入れています
本棚に追加