第1章

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 逃げたい……すごく逃げたい。  けど、ここで背中を見せたら絶対に斬られる。  私の心臓は、爆発しちゃうんじゃないかって思うくらい激しく鼓動していた。  どうしたらいいんだ……? 死んだふり? 「漆黒の女が何故ここにいる」  不意に声をかけられ、心臓が飛び出るかと思った。  ……漆黒の女?  何それ? 「そうか、処刑の前にトロールが攻めてきたのか……。今からでも遅くないだろう。お前を処刑する」  彼は剣を抜き、先端を私に向ける。  何やら淡々と口にしているが、処刑って何の話!? 私を処刑? 何でそうなるのよッ!  ……や、やっぱり私、此処で死ぬ運命なの??  この、良くわからない変な場所で?  何かの冗談だよね……?  夢なら早く覚めて!
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