第1章

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「うぉぉ……」  鈍い声が私の後ろから聞こえる。な、何か悪寒が……。  私は振り返りたくなかった……が、赤いマントの男が背後のそれを口にする。 「く……トロールめ……」  やっぱり……。  前方からは剣を持ったヤバそうな人間。  後方からは大きな拳をした人間外生物。  どうする私……。 「ぅぉ……」 「トロールめ……覚悟!!」  トロールの呻き声に反応し、赤いマントの男はトロールに向かって剣を振りかざしながら走って来た。  ……ってトロールの前に私がいるんですけどー!?  斬られるっと思った瞬間、身体に何かの風圧のような衝撃が走ると真横に跳ね飛ばされて瓦礫にぶつかった。  そしてそのまま意識が遠退く感じがした。
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