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「…!!、…り!!、茉莉!!」
目を開けると、
そこには守の顔があった。
「大丈夫か?」
「う…うん、平気…」
周りを見てみても、
桜の花はどこにもない。
「私、どうしたの?」
「お前が、先に走っていって
曲がり角を曲がったから、
俺も追っかけてったら
茉莉が倒れてたんだよ。」
「そうだったんだ…」
私は、さっきの人を思い出す。
男の人で背が高く、髪が黒色で
舞い散る桜がとても似合っていて…
「って、茉莉!!時間ヤバい!!」
守に言われて、時計を見てみる。
「嘘ー!?過ぎてるー!?」
「よし!!俺、お前と同じ速さで
走りたいから二人三脚で走…」
「私、パス!!それじゃあね!!」
もう守は置き去り決定☆彡なので
私は全力で走る。
「って、お゛ぉぉい!!
茉莉ーー!!待てってー!!」
後ろから走ってくる守の方を
振り返って、笑ってみせる。
「学校生活、楽しみだなぁ」
そうつぶやきながら、
私は新しい学校生活に思いを馳せた。
けど、この時はまだ知らなかったんだ。
あの空間での出会いが、私の人生を
大きく変えてしまうなんて…。
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