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すると、柊は非常に珍しく考え込んでいた。
「どうしたの?珍しいね。柊が考え込んでるなんて」
魅紗は柊に駆け寄る。
「…ん?あ、いや。この刺し傷、おかしいよなって思っただけ」
「ん?刺し傷?」
魅紗は刺し傷を見る。
「…丸い…?」
「おかしいだろ?それに。水たまりも気になる…」
「水たまり…」
魅紗は遺体を見る。
遺体から少し離れた場所に水たまりがあった。
優太はふと顔をあげる。
すると、ドアの向こうから圭がこっちを見ていた。
「圭?」
その声で魅紗も柊も顔を上げた。
「圭ーっ!どしたの?」
そして、魅紗は圭に近寄った。
「あ、魅紗の忘れ物を届けに来ただけだよ」
そう言って、圭は、魅紗に携帯を渡す。
「あ!ありがと!」
「鳴ってたよ」
「マジか-、誰だろ」
魅紗は、そう言いながら、携帯を開く。
「圭、何で入って来なかった?」
優太は圭に聞く。
「みんなで考え込んでたから、入りにくかったんだあ」
「柊ー!あんねー、兄貴が、帰りにオレンジジュース、買ってきてって」
「おー」
魅紗は圭と優太の会話を遮り、携帯でメールを打ちながら言う。
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