柊の探偵ごっこ

4/7
前へ
/7ページ
次へ
すると、柊は非常に珍しく考え込んでいた。 「どうしたの?珍しいね。柊が考え込んでるなんて」 魅紗は柊に駆け寄る。 「…ん?あ、いや。この刺し傷、おかしいよなって思っただけ」 「ん?刺し傷?」 魅紗は刺し傷を見る。 「…丸い…?」 「おかしいだろ?それに。水たまりも気になる…」 「水たまり…」 魅紗は遺体を見る。 遺体から少し離れた場所に水たまりがあった。 優太はふと顔をあげる。 すると、ドアの向こうから圭がこっちを見ていた。 「圭?」 その声で魅紗も柊も顔を上げた。 「圭ーっ!どしたの?」 そして、魅紗は圭に近寄った。 「あ、魅紗の忘れ物を届けに来ただけだよ」 そう言って、圭は、魅紗に携帯を渡す。 「あ!ありがと!」 「鳴ってたよ」 「マジか-、誰だろ」 魅紗は、そう言いながら、携帯を開く。 「圭、何で入って来なかった?」 優太は圭に聞く。 「みんなで考え込んでたから、入りにくかったんだあ」 「柊ー!あんねー、兄貴が、帰りにオレンジジュース、買ってきてって」 「おー」 魅紗は圭と優太の会話を遮り、携帯でメールを打ちながら言う。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加