柊の探偵ごっこ

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柊は遺体を見ながら返事をする。 「ねー、ゆーた。これ動かした?」 魅紗は携帯を閉めて遺体に向き直り、優太に問い掛けた。 「いや、動かしてないっす」 「凶器は見つかってねぇの?」 「見つかってないっすね」 魅紗と柊の質問に優太は答える。 「…丸い刺し傷に水たまり…」 柊はつぶやく。 「…んー…」 魅紗は柊の隣で、考え込む。 「あ!かわいー!」 圭が窓の外を見ながら言った。 「何?」 優太は圭の方に行き、窓の外を見る。 「ほらほら、小学生がつらら食べてるよー」 魅紗と柊が顔を上げると、小学生がつららを食べながら歩いていた。 「ホントだぁ」 魅紗は美味しくなさそうというような顔をする。 「…つらら…」 『「あ!あのつらら刺さりそう!」』 柊はそんな魅紗の何気ない一言を思い出していた。 「まさか…な」 「何が?」 柊がつぶやくと、魅紗は首を傾げた。 「魅紗、さっきのつらら持ってこい」 「…うん…?」 魅紗は首を傾げながら、外に出た。 「広瀬はちょっと俺に付き合ってくれ」 柊は側にいた圭に言った。 「…?うん」 圭は首を傾げながらも、頷いた。
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