一章 -魔法学園-

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ルークが部屋を出てから数分後 トントン 「お呼びですか?学園長。」 そう言って学園長室に入ってきたのは、蒼い髪を腰のあたりまで伸ばしたスタイルのいい女性だった。 「よく来たの、セレナ先生。早速で悪いんじゃが、一緒に闘技場まで来てほしいのじゃ。」 「構いませんけど、どうかしたのですか?」 怪訝な表情で学園長に尋ねるセレナ。 「この間の職員会議で話した子が来たので、実力を計るための試験をしようと思っての。」 それを聞いたセレナは、どこか納得のいっていない様で 「例の子ですか。その時も言いましたが、入学したいのであれば、普通に入学試験を受ければ良かったのではないのですか?」 「そうできない事情があるのじゃよ。説明はできんがな。それで、協力してくれるかの?」 「納得はできませんが、しかたないですね。私が相手をするのですか?」 しぶしぶといった感じではあるが、了承したセレナ。 「そうじゃよ。おそらくじゃが、手加減はいらないじゃろうな。」 それを聞き、眉を吊り上げるセレナ。 「それは過大評価しすぎでは?学園に入学する年齢ということは15・6歳ですよね?その歳で、大人に勝てるとは思えないのですが。」 「ふぉっふぉっふぉ。戦ってみれば分かるじゃろうて。」 楽しげに笑う学園長とは反対に、セレナは少しイラついているようだった。 「まあ戦えば分かることです。では行きましょうか。」
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