一章 -魔法学園-

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「え・・・ガハッ」 次の瞬間、セレナは吹き飛ばされていた。 「な、なにが・・・」 起き上がりながら、先ほどまで自分が立っていた場所を見る。 そこには、悠然と佇むルークの姿があった。 「確かに、本気でいかないとのようですね。《雷嵐(テンペスト)》!」 雷を纏った風がルークを襲う。 上級の、しかも風と雷の混合魔法を詠唱破棄したセレナ。学園の教師をしているだけあって、かなりの実力を持っているのがわかる。 「《滅亡の突風(クラッシュガスト)》《雷鳴の剣(サンダーブレード)》」 しかしルークは動じない。焦ることなく、炎風雷の混合魔法でセレナの魔法をかき消し十本の雷剣を飛ばす。 セレナは驚愕するも何とか雷剣をかわす。 (混合上級魔法と中級魔法を連続で詠唱破棄!?凄すぎる・・・。いったい何者?) 飛来する雷剣をかわしつつ考える。その答えが出るわけもなく、思考に集中しすぎたために、目の前まで迫るルークに気がつかない。 「戦闘中に考え事か・・・。余裕だな。」 そう言いつつセレナの腹に拳を叩き込む。再び吹き飛ばされ地面を転がるセレナ。 「ゴホッゴホッ・・・」 足が震え、立ち上がれない様子のセレナに近づくルーク。 それに気づき魔法を放とうとするも、痛みで集中できず失敗に終わる。 「これで終わりだな。」 そう呟いたルークの周りには、炎・雷・光属性で作られた無数の槍が浮かんでいた。 「そこまでじゃ。流石だのルーク。やはりアヤツの息子じゃ。」 すかさず学園長が止めに入り、終わりを告げた。
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