二章 -使い魔召喚-

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入学式から3日後。 「じゃあ次だ。人魔戦争について知っている事を・・・一番前のお前、言ってみろ。」 3限目の歴史担当の男性教諭が、一番前に座っていたクラスメイトを指した。 「人魔戦争が始まったのが今から約1300年前で20年間続いた。戦争終期に現れた、3代目セレスティア国王をはじめとする六英雄の活躍で終結した。こんなところで良いですか?」 「そうだな、良いだろう。なら戦争のきっかけは何だ?今度はそこのお前だ。」 次に指されたのはラウルだった。 「え?あ、はい!えーと、昔あったオールリン王国のアケオルスという街に侵入した魔族を殺したのが始まりでしたっけ?」 「そうだ。その数日後にアケオルスは魔族の報復によって陥落した。そして連鎖的に戦火が広がっていったんだな。」 男性教諭がそう言ったところで授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。 「もう終わりか。最近は人魔戦争も重要な話ではなくなってきているから授業ではやらんが、各自で教科書でも読んでおいてくれ。じゃあ解散だ。」 その言葉で一気に教室内は騒がしくなる。 すると離れた席に座っているはずのラウルがわざわざルーク達の席までやってきた。 「なあなあルーク、次の授業ってなんだっけ」 「次は闘技場で魔法実技!アンタHRの時セレナ先生の話聞いてた?」 ラウルの言葉にティアが呆れた様子で返す。 「聞いてるわけねーじゃん。眠気には勝てねぇって。」 それに対するラウルの答えはさらに呆れたものだった。 「あのねぇ・・・まだ入学して一週間も経ってないのよ!?」 「知るかそんなの。何をしようがオレの自由だろーが。」 「二人共~。先行ってるからな~。」 言い争いを始めた二人を置いて、ルークとアリスは先に闘技場へ向かうことにした。
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