二章 -使い魔召喚-

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「何か言ったらどうだい?お・ち・こ・ぼ・れ!」 ついこの前、同じような事を言ってルークの怒りを買ったにもかかわらず、シリウスは懲りていない様だった。 「ううぅ・・・」 「気にするなよアリス。ああいうのは無視するのが一番だ。」 アリスの頭を撫で、慰めるルーク。 「俺やりますね、セレナ先生。天より降り注ぐは咎人への怒り・・・」 セレナに短く告げると、ルークは返事を待たず魔法の詠唱に入る。 「・・・神が生みし雷よ、我が道を阻むもの全てを穿て。貫け。砕け。塵すら残さず焼き尽くせ!《神雷轟乱(ライジング・インパクト)》」 ルークの魔法によって生み出された無数の雷が、的を中心に降り注ぐ。 雷が止む頃には、的やその周囲の地面は抉られて幾つもクレーターができていた。 (あー、ちょっと加減間違えたかも・・・) ルークが使ったのは雷の最上級魔法だが、同じく最上級を使ったシオンは的だけを狙っていた。 その為周りに被害は無かったのだが、ルークのそれは若干やり過ぎであった。 「す、凄いですね。これで全員終わりましたが、時間が余っていますね。何かやりたい事とかありませんか?」 意外と早く終わったようだ。すると一人の生徒が手を挙げた。 「せんせー、しつもーん。さっきシンシアさんが使った魔法って何ですかー?」 やはりあの魔法が何か気になるらしい。同じ意見なのか、何人か頷いている人がいた。 「あれは私も分かりません。後で一応調べておきます。丁度いいので質問タイムにしましょう。他にありますか?」 悩むそぶりも見せずに言ったセレナの返答は「分からない」だった。神級魔法、という事を教える訳にはいかないのだろうか。 何はともあれ、授業の終わりまでセレナへの質問タイムとなった
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