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「なっ、そんなんじゃないよっ。ボクはただ、シオンが誰とも友達になろうとしないからっ。」
シャナは慌てて言い訳をするが、顔は真っ赤になっていた。
「余計な御世話だ・・・」
シオンは小さく呟いたが、気付いた者はいなかった。
「シャナちゃん達はどういう関係なんだ?」
ルーク達も気になっていた事をラウルが質問する。
「・・・幼馴染・・・かな。小さい頃からよく遊んでたし!」
一瞬、悲しげな表情を浮かべたシャナだったが、それを感じさせない明るい声で言う。
「へぇ~幼馴染か~。なるほどね~。ま、よろしくなシオン!」
シャナの答えをニヤニヤしながら聞いていたラウルは、シオンに近づき手も差し出した。
そんなラウルに対しシオンは表情を変えることなく冷たく言った。
「俺は弱い奴と狎れ合うつもりはない。それよりも・・・お前、ルークといったな。俺と戦え。お前の底が知りたい。」
「なっ。」
「別に構わねぇよ。そのうちな~。それより今はメシにしようぜ。」
ルークはチラっとシオンを見ると、平然と弁当を広げ始める。
「う、うん、そうだね!ほら、シオンも!食べよ!」
最初に戻ってきたシャナに続き、放心していた皆も食べる準備を始める。
「「「いただきます!」」」
食べ始めて少し経った時、思い出したようにラウルが口を開く。
「そういや、さっきアリスちゃんが使った魔法って結局何なんだ?」
「あ、それアタシも気になってた。セレナ先生は知らないって言ってたけど、アリスはどうなの?」
ティアも同じ気持ちらしく、アリスに尋ねる。
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