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それに対するアリスの答えは意外な物だった。
「私も・・・分からない・・・。魔法のイメージと・・・名前だけ・・・時々・・・頭に浮かんで・・・それを使った・・・だけ・・・だから・・・。」
「そうなんだ・・・。ねぇ、ルークは何か知ってる?」
今度はルークに尋ねるティア。
「ん?えっと・・・(別にこれくらい行っても問題ないよな・・・?)あ「あれは『星龍の咆光』。光属性の神級魔法で魔力によって創られた光の龍が周囲を薙ぎ払うものだ。」
少し悩んだ後答えようとしたルーク。
しかし、それを遮って代わりに答えたのは意外な事にシオンだった。
「幸いシンシアのヤツは不完全だったから被害は出なかったがな。」
それだけ言うとシオンは再び黙りこんだ。
シオンが話に加わった事とその内容に驚くラウル達は、真偽を問うような視線をルークへ向ける。
「まあ、そういう事。でも驚いたよ。神級魔法を詠唱破棄するなんて。アリス、頭に浮かんでくるっていうのはどういう事だ?」
「よく・・・分からない・・・。大体・・・は・・・夢で・・・見る・・・。どうして・・・かな・・・?」
理由は本人にも分からないらしく、アリスは困った様な表情で答える。
「夢ねぇ・・・。不思議な事もあるもんだな。」
ラウルはいまいちよく分かっていない様だった。
「そうだな・・・っと、そろそろ戻った方が良くないか?」
ふとルークが時計を見ると授業が始まるまであまり時間は残っていなかった。
「うお、マジだ!急いだ方がいいな。」
アリスの魔法の件は後にして、ルークたちは闘技場へと向かうことにした。
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