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学園長室前
「ここか、やっと見つけたよ。広すぎるだろ・・・」
トントン
「失礼します。」
「何か用かの?・・・だれじゃ?」
部屋の中で書類の整理をしていた、学園長と思われる人のよさそうな爺さんが驚いていた。
おそらく、入ってきた相手が見覚えのない人間だったためであろう。
「はじめまして。ルーク・グランエストと申します。父にこの学園に通うよう言われてきたのですが・・・」
ルークが名のると、その爺さんは納得したようで
「おぉ、君がルーク君か。父君から話は聞いておるよ。儂は学園長のグシオン・ディートハルトじゃ。」
と、右手を差し出してきた。
「宜しくお願いします。それで、俺はどうすればいいのですか?」
ルークも右手を出して握手しながら尋ねると、学園長は少し考えたあと
「そうじゃな、ちょっとした試験を受けてもらうとしよう。さすがに無試験で入学と言うのはマズイからの。」
と答えた。
「そうですね。試験の内容は?」
「うむ、今から学園の教師を一人、第一闘技場へ向かわせるわい。詳しいことはそこで話すから、先にいっておれ。場所は分かるかの?」
「はい、大丈夫です。では、失礼します。」
部屋を後にしようとしたが、気になることがあったので聞いてみることにした。
「ところで学園長、俺の正体はご存じで?」
「もちろん知っておるよ。それに儂以外は誰も知らぬ。誰かに洩らすつもりも無いから安心せい。」
「そうですか、安心しました。それでは。」
そう言って俺は部屋を出て行った。
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