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なんとかこうにか叔父さんの申し出を却下して、今は寮の部屋へ向かう途中。
「なんだよこの学園……ぶっとびすぎなんだよ……」
ぶつぶつ文句をいうくらいしか出来ない俺は、人生最大級に自分の運命を呪っている。
みんな寮に帰ったのか、ひっそりとした廊下で、赤の柔らかな絨毯を容赦なしに力強く踏み締めながら歩く。
「うう、俺のバラ色の高校生活はいづこへ……」
しかもあいつ……。
ここらで有名な“STED”のヘッド、朱豹……。
あいつがこの学園の生徒だったとか……。
「……まじ冗談きつい」
あいつとは色々とあったしなぁ。
……いろんな意味で。
つか、絶対俺嫌われてるだろ。
「……ここは穏便にすごむふっ?!」
……うわ変な声出た。
仕方ないだろっ誰かとぶつかっちまったんだから。
「……チッ」
……え……?ええぇ?
今、上の方から舌打ちが聞こえたのは気のせいでしょうか。
「おい、いつまで抱き着いてんだよ気色わりぃ」
だ、抱き着いてる……?
冷静になれ、俺。
俺の両手が掴んでいるものはなんだ……うん相手のカッターシャツだな。
顔を上げると……。
なんとまぁ、イケメン、くん……。
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