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      もう1人は黒髪だか綺麗に編み込んであり、もはや制服を着ていない。動く度にピアスやリングなどの装飾品が音を立てる。 彼は見るからに強そうだ。リーダー格だろう。 最後の1人は、もさもさした黒髪に細身のフレームの四角い眼鏡をかけていて、制服のボタンを上まできっちり締めていて、見るからに弱そうだ。 きっとこの3人の子らにパシリに使われているのだろうと思っていたが、普通に談笑しているところからすると友達らしい。 とりあえずは観察させて貰おう。そう思ってじっと彼らを見ていたが、逆に視線を感じて一は眉根を寄せた。 見ればいかにも腰が悪いという感じのお婆さんが一を穴が空きそうな程じーっと見ていたのだ。 ここで席を譲らない一ではない。さっと立ってお婆さんに席を譲るつもり、だった。     
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