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織田家の家臣に前田利家という男がいた
彼は今日も今日とて頭を抱え、悩んでいた
利:信長様!どこにおられるんですか!信長様!
バタバタと足音を荒げ、城の部屋という部屋を調べる
利:(信長様だけではない!三成と秀吉様の姿も見ない………《また》逃げたな!)
思わず手に持っていた竹刀を真っ二つに折った
??:ま、まずい!また利家様のお小言が始まっちゃうっ!逃げなきゃ……
その様子を見ていた人影がそっと立ち去ろうとしたのを目敏い利家が見逃すはずがなかった
利:蘭丸?お前まで、どこに行くつもりだ?まさか…この場から逃げようなんて思ってないよな?
蘭:や、やですね~!僕も一生懸命信長様を探してたんですよ!
利家の迫力に乾いた笑いを浮かべながら蘭丸が答える
自由奔放な信長のせいで、毎回蘭丸ばかりが利家の小言を聞かされる羽目になっている
利:だいたいな、お前は小姓のくせに主人の居場所がわからないなんて、駄目じゃないか!………っ聞いているのかっ蘭丸!
蘭:利家様~あんまり怒ってるといつか血管切れちゃいますよ~!
蘭丸は言うだけ言って立ち上がり、利家から逃げるかのように脱兎のごとく駆け出した
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