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雪:信長様、着きましたよ?ここが私の家です………どうぞ
雪乃の家に着いた
薄暗い家の中は、しんと静まり返っている
中に入ると、雪乃は仏壇に手を合わせ信長の方を振り向いた
信:……まさ…か
雪乃は力無く笑う
雪:はは、驚きましたよね?………これが両親です。父上は戦で死にました…母上はそんな父上を追うように、病で……
雪乃が肩を震わせながら話す
床には涙の跡ができる
信:………そうか、辛かったな
信長は優しく雪乃の肩を抱いた
雪:言えなかった…秀吉君には……あんなに心配してくれてたのに…
信:……大丈夫、今日からお前はもう独りじゃない…俺が居るから
『独りじゃない』その言葉が雪乃の胸を打つ
辛かった、誰も頼る相手が居らず、ずっと独りぼっちだった
そのことがいつからか雪乃の心に闇を落としていた
雪:…信長様……っ!
優しく抱き寄せた信長に頭を預ける
久しぶりに人の暖かさに触れ、安心して涙が溢れてきた
雪:このこと、誰にも……秀吉君にも、言わないで下さい……
信:わかった。絶対誰にも言わねぇ
信長は笑顔で言う
雪乃もつられて笑顔になった
雪:……さて、じゃあ私の輝かしい女中一日目が始まりますね!
雪乃が腕捲りをして笑う
しかし信長は首を傾げた
信:なぁに冗談言ってやがる!雪乃、お前の仕事は女中なんかじゃねぇ……俺の嫁だ!
雪:……っはぇっ!?え~~!!
雪乃の波乱万丈な人生が、始まった
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