2.ただの先輩ではありません

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  「希ちゃんにアスカ君、アカリちゃんね。よろしく」  3人の自己紹介が終わると静谷さんはそう言ってにこりと笑った。その後にヘッドホンのプラグをパソコンから抜く。  パソコンから流れてきた曲は、外国で流れるような曲だった。 「これ、どういう曲ですか?」 「ケルト音楽よ。スコットランドやアイルランドの民謡、聞いた事ない?」  うわぁ、全く知らないヤツきた。 「スコットランド……えっと、コサックダンスの」 「ナオさんそれロシアっス。スコットランドと言えばコナン・ドイルっスよ!」  コナン・ドイルは確かアレだ、ホームズの人だったはず。ってアスカなんでそんな事知ってるんだ? 「あっ、そういえば蛍の光ってスコットランドの民謡でしたっけ?」  音楽の教科書に載ってた気がする。 「えぇ、他にも有名な曲は『故郷の空』や『庭の草』ね。この2曲はアイルランドの民謡なんだけど」  だめだわからない。有名じゃないよそれきっと。だって聞いた事ないんだもの。 「あら、結原君わからないって顔してるわね?」  静谷さんが手の甲を口に当ててくすりと笑った。 「すいません、正直スコットランドがどこかもわかってなくて……」 「スコットランドはイギリスの国だよ!」   隣で希が言う。なるほど、イギリスか……ん? 「イギリスの近くにあるのか?」  俺がそう言うとアカリ以外のみんなが驚いたような表情を見せた。アカリは素早く携帯に文字を打ち俺に見せてくる。 『ネタ? ネタなの?(・∀・)』  いや、俺は別にそんなつもりは……あれ? 何か変な事言った?
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