2.ただの先輩ではありません

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  「ただいま~! ヨシノ~!」 「ニャオーン!」  家に帰るとヨシノが待っていた。もちろん希を。 「ほらヨシノ、ナオだよ~」 「シャーッ!」 「あぁはいはい、ただいま」  威嚇をするヨシノを横目に家の中に入る。1週間経ったけどずっとこんな感じのままだ。 「ナオ~、ご飯何が良い?」 「ん~、別に何でも良い。あ、でも何か甘いのが食べたい」 「食後? ホットケーキでも良い?」 「あぁ、頼む」  俺はそう言って2階に上がっていった。部屋着に着替えると1階に行き、風呂場に向かう。  料理は希がやっているけど、風呂掃除は俺がやる。さすがに家事全部をやらせる訳にはいかない。 「ニャー」 「ん? 希~! ヨシノのエサ残ってるか~?」  ヨシノが俺に向かってこの声で鳴くときは大抵エサが無い時だ。エサが欲しい時だけは可愛く鳴く。猫の知能は意外と高いのかもしれない。  しばらくしてヨシノを呼ぶ希の声が聞こえてきた。ヨシノが走ってそっちへ向かっていく。  風呂掃除が終わってリビングに行くと、希が誰かと電話をしていた。 「日曜日? うん、大丈夫だよ! あっ、ナオも? うん、言っとく」  アカリはもちろん電話なんてしないから、アスカからか、それとも親からだろうか。  
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