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「ただいま~! ヨシノ~!」
「ニャオーン!」
家に帰るとヨシノが待っていた。もちろん希を。
「ほらヨシノ、ナオだよ~」
「シャーッ!」
「あぁはいはい、ただいま」
威嚇をするヨシノを横目に家の中に入る。1週間経ったけどずっとこんな感じのままだ。
「ナオ~、ご飯何が良い?」
「ん~、別に何でも良い。あ、でも何か甘いのが食べたい」
「食後? ホットケーキでも良い?」
「あぁ、頼む」
俺はそう言って2階に上がっていった。部屋着に着替えると1階に行き、風呂場に向かう。
料理は希がやっているけど、風呂掃除は俺がやる。さすがに家事全部をやらせる訳にはいかない。
「ニャー」
「ん? 希~! ヨシノのエサ残ってるか~?」
ヨシノが俺に向かってこの声で鳴くときは大抵エサが無い時だ。エサが欲しい時だけは可愛く鳴く。猫の知能は意外と高いのかもしれない。
しばらくしてヨシノを呼ぶ希の声が聞こえてきた。ヨシノが走ってそっちへ向かっていく。
風呂掃除が終わってリビングに行くと、希が誰かと電話をしていた。
「日曜日? うん、大丈夫だよ! あっ、ナオも? うん、言っとく」
アカリはもちろん電話なんてしないから、アスカからか、それとも親からだろうか。
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