2.ただの先輩ではありません

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   電話が終わると希が部屋で着替えを済ませ、晩飯の準備を始めた。 「ふんふ~ん、肉肉かぼちゃ~魚にレタス~」  台所から妙な歌が聴こえてくる。大丈夫か今日の料理。  そんな不安を抱きつつ、俺はまた携帯をチェックした。届いてないか…… 「ねぇナオ、梅干しとウナギって本当は食べ合わせ良いって聞いたんだけど今度試してみる?」 「なんかそれ俺だけ食べるように聞こえるんだけど」  梅干しとウナギ……嫌な予感しかしない。仮に食べ合わせは本当に良かったとしても気分は悪くなりそうだ。 「遠慮しとくよ」 「えぇ~、良いじゃん良いじゃん、騙されたと思って!」 「尚更嫌だ!」  なんで騙されたって思いながら食べなくちゃいけないんだよ! 「あっ、そういえばかき氷と天ぷらも食べ合わせ悪いんだって!」 「もう見るからに悪いだろ!」  しかもかき氷と天ぷらを一緒に食べる状況なんてねぇよ! それ見付けたの誰だよ! 「あとね、たらことソーセージもダメなんだよ?」 「だからそんな状況……いや、それはあるか。って言うかたらこスパゲティにソーセージが入ってるやつ食べた事あるぞ?」  希が作ったやつ。結構好きだけどなぁ、あの組み合わせ。 「たらこのジメチルアミンがソーセージの亜硝酸塩と反応して発ガン性物質ができるんだって!」 「俺に何食わせてんだお前!」  そんな話をしていたらテーブルの上に置いた携帯が鳴った。やっとメールが届いたか。俺は携帯を取り開く。 『着信中:静谷茜』  で、電話だと?  
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