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俺の家に行くのに、俺が静谷さんの後ろを歩くのはどうかと思う。道は合ってるから別に良いんだけど。
「ところで、スーパーに何しに行ってたんですか?」
俺はなんとなくそんな事を訊いた。学校から俺の家とスーパーは逆とまではいかないけど違う方向だ。
「えぇ、これよ」
静谷さんがそう言って鞄から缶詰めを取り出した。猫のエサだ、子猫用の。
「なんか万引きしたみたいに見えますね」
それを見て俺はそう言う。袋も何も無いもんだから本当に万引きしたようにしか見えない。
「えぇ、よくわかったわね」
「えっ?」
「大丈夫よ、あのスーパーだけでも年間の被害額は1000万以上だから。300円なんて安いでしょ?」
え、えぇぇえ……? 何言ってるんだこの人は……まさか本当に万引きしたのか?
いや、だってこの人お金持ちなんだしそんな事する必要なんて……
「ふふっ、結原君って素直なのね。はい、これレシート」
静谷さんがくすりと笑って財布からレシートを取り出した。缶詰めの名前がしっかりと書かれている。
ま、また遊ばれた……
「結原君ってエイプリルフールには絶対に嘘をつかれるタイプね」
「おっしゃる通りです……」
親から友人から希から、更には駄菓子屋のおばあちゃんにまでエイプリルフールには嘘をつかれる。俺ってそんなに騙しやすい性格なんだろうか。
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