2.ただの先輩ではありません

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  「ただいま~」 「おかえりナオ! お嬢様先輩いらっしゃいませです!」  俺達が家の中に入るとまず希がそう言って玄関にやって来た。そしてその後にリビングの方から白い影、もとい猫が。  ヨシノは俺を見ると案の定戦闘体制に。今にも襲いかかりそうな身のこなしでゆっくりと近付いてくる。 「ほらヨシノ、お嬢様先輩だよ?」 「ニャーオ」  でも希がそう言って抱き上げるとやっぱり可愛く鳴く。 「その子、ヨシノって言うの?」 「はい! 春っぽい名前にしました!」 「春……あぁ、ソメイヨシノね」  すげぇ、この人わかっちゃったよ。案外この2人の思考って似て……ないよな。うん、偶然だ。 「はじめまして、ヨシノ」  静谷さんがそう言って微笑み、希の腕の中にいるヨシノに手を差し出した。 「ニャー……」 「ちょっと怖がってるみたい。ヨシノ、大丈夫だよ?」  希がそう言ってヨシノの顔を静谷さんの手に近付けた。 「あ、良いわ希ちゃん。降ろしてあげて。上がっても良いかしら?」 「あっ、はいどうぞ!」 「お邪魔します」  静谷さんはにこりと微笑んでそう言った。靴を脱ぐと希から解放されたヨシノを見る。そして…… 「よいしょ……」  廊下に寝転んで……ってちょっと待って何してんですか!?
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