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「ただいま~」
「おかえりナオ! お嬢様先輩いらっしゃいませです!」
俺達が家の中に入るとまず希がそう言って玄関にやって来た。そしてその後にリビングの方から白い影、もとい猫が。
ヨシノは俺を見ると案の定戦闘体制に。今にも襲いかかりそうな身のこなしでゆっくりと近付いてくる。
「ほらヨシノ、お嬢様先輩だよ?」
「ニャーオ」
でも希がそう言って抱き上げるとやっぱり可愛く鳴く。
「その子、ヨシノって言うの?」
「はい! 春っぽい名前にしました!」
「春……あぁ、ソメイヨシノね」
すげぇ、この人わかっちゃったよ。案外この2人の思考って似て……ないよな。うん、偶然だ。
「はじめまして、ヨシノ」
静谷さんがそう言って微笑み、希の腕の中にいるヨシノに手を差し出した。
「ニャー……」
「ちょっと怖がってるみたい。ヨシノ、大丈夫だよ?」
希がそう言ってヨシノの顔を静谷さんの手に近付けた。
「あ、良いわ希ちゃん。降ろしてあげて。上がっても良いかしら?」
「あっ、はいどうぞ!」
「お邪魔します」
静谷さんはにこりと微笑んでそう言った。靴を脱ぐと希から解放されたヨシノを見る。そして……
「よいしょ……」
廊下に寝転んで……ってちょっと待って何してんですか!?
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