2.ただの先輩ではありません

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  「大丈夫よ、何もしないわ」  廊下に寝転んだ静谷さんがヨシノにそう話しかける。えっと……俺はどうすれば良いんだ? 見てれば良いの? 家に来たお嬢様な先輩がいきなりで廊下寝転んだこの状況を冷静に見ていれば良いの?  いや、しかし見るにしても静谷さんスカートだしそれもマズイんじゃないだろうか。太ももとか思いっきり見えてるし。 「ニャオー」 「はじめまして、だって」 「あら、希ちゃんわかるの?」 「はい!」  希が自信満々に答える。普通信じないよなぁ、希と静谷さんって今日初対面な訳だし。 「そうなの。はじめまして、ヨシノ」  静谷さんが微笑んでそうヨシノに返す。信じちゃったよ…… 「はい、これどうぞ」  続けて静谷さんはそう言って鞄からあの缶詰めを取り出すと、蓋を開けヨシノの前に置いた。  ヨシノはその匂いを嗅ぎ、食べられるとわかったのかすぐに舐め出した。でも舐めるだけで食べようとはしない。 「ちょっと食べづらいかしら。まだ小さいものね」  静谷さんはそう言うと缶詰めの中身の魚を指で掬った。そして……  パクッ  えぇぇぇええ…… 「はい、どうぞ」  そしてそれを手のひらに置いてヨシノの前に差し出した。するとヨシノはそのエサを食べ始める。あぁ、自分で噛んで食べやすくしたのか…… 「ナオ、どうしたのずっとエサ見て。ナオも食べたい?」 「あら、そうなの? はい」 「いやいやちょっと待て2人とも」  俺は無意識に1歩下がった。あぁでも静谷さんが差し出したのが缶詰めの方で良かった、手に乗ってる方のエサを差し出してきたら手に終えない。もうすでに終えてないけど。
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