2.ただの先輩ではありません

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  「あぁいうのって人が食べても大丈夫なんですか?」  エサを食べさせ終わり、ようやく俺達はリビングに行った。絨毯はあるけどさすがに床に座らせるのはちょっとまずかったかな。やっぱりソファーを買っておけば良かったかもしれない。 「えぇ、美味しくはないけどね」  静谷さんはそう言って微笑んだ。エサを全部食べ終わったヨシノは今静谷さんの膝の上にいる。すっかりなついたみたいだ。餌付けしたからだろうか。  でも餌付けは俺もしたよ! でもなつかなかったよ! 「ご飯持ってきました!」  希がテーブルの上に鍋を置いた。鍋料理か……時期としては大分ずれてるな。  しかもこれは…… 「かぼちゃ鍋ね。私初めてだわ」 「おいしいですよ!」  希が小皿に具を入れて静谷さんに渡す。あぁ、確かにこれは肉もかぼちゃも魚もレタスも入ってる……ってレタスは普通入れないだろ! 「鍋って普通レタスじゃなくて白菜じゃないか?」 「レタス鍋とかぼちゃ鍋を合わせてみた! あっ、でも白菜もちゃんと入ってるよ!」  やってやったぜと言わんばかりにグーサインを出す希。もうこれかぼちゃ鍋じゃねぇただの寄せ鍋だ。 「まだいっぱい入ってるよ! 椎茸にしらたき、はんぺんと厚揚げと大根と……」  次々と食材の名前を出していく希。あぁこれアレだ、そろそろ傷んできそうな野菜とか食べ頃が過ぎそうな物を全部入れやがったんだ。最早闇鍋に近いぞこれ。  
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