2.ただの先輩ではありません

28/33
前へ
/396ページ
次へ
  「えっと、ここが俺の部屋です」  部屋に入った俺は即座にさっき脱ぎ捨てた服を片付けた。 「へぇ~、私男の子の部屋に入るのって初めてだわ」 「あ、そうなんですか?」  じゃあ彼氏とかもいないのか……って何考えてんだ俺は。 「えぇ、結原君が初めてよ」  静谷さんはそう言って微笑む。俺は反射的にベッドの方を振り返るように目を逸らした。 「えっと……一応ゲームは色々ありますけど、静谷さんってどんなのが好きですか?」  なんか大勢でやるのはあんまり好きじゃなさそうだな、それこそ牧場物語とか好きそうだ。俺は最近までリアル牧場物語だったけどね! 「そうね……あ、これはやった事あるわ」  そう言って静谷さんが取ったゲームは……えっ、格ゲー? 「こういうのが好きなんですか?」 「う~ん、テレビゲームって兄に誘われた時以外した事ないの。兄はこういうのが好きみたいよ」 「あ、お兄さんいるんですか?」 「えぇ、4つ上で今は1人暮らしをして大学に通ってるわ」  1人暮らしか……いつか俺もしてみたいな。まぁ少なくとも高校生のうちは無理だけど。 「じゃあこれと、後は適当に持っていきますか」 「えぇ、手伝うわ」 「いや、大丈夫ですよ。そんな重い物じゃないんで」  そう言って俺はゲームを一式持ち上げた。Wiiってこっちに来てからだと使うの初めてだ。
/396ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1118人が本棚に入れています
本棚に追加