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「なに、お前たち知り合いなの。
というか、姉さん、て。
ユウスケは一人っ子じゃなかったか?」
僕と姉さんの顔を忙しく交互に見て、塾長は怪訝そうな顔をする。
「違うよ、先生。
ユウくんは私の幼なじみなの。」
そう、僕と姉さんは幼なじみだ。
小学生の頃、家が隣同士で家族ぐるみで仲がよかった。
姉さんには年の離れた実の姉がいて、当時、もう高校生くらいだったと思うけど、面倒見が良くて、優しくて、姉さんだけでなく、僕にも良くしてくれた。
彼女はそのお姉さんが本当に大好きで、大きな憧れを抱いていた。
その憧れからだろうか。
ある日、自分も「お姉ちゃん」になりたい、と考えた彼女は、2歳年下で一人っ子の僕を弟に指名し、「姉さん」と呼ばせるようになった。
正直、彼女を「姉さん」と呼ぶのはものすごい違和感があったが、一度決めたら真っ直ぐ突っ走る彼女の勢いに押され、口を無理やり「姉さん」と動かした。
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