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イスに腰かけるリュウシ。ラクスは目の前に立つ。
「リユ、あの男とはどんな話をしてるんだ」
「どんなって、髪飾りの話です。素敵な髪飾りを薦めてくださったり、髪飾りを作る時のお話しですとか…」
嬉しそうに話すリュウシを見て、ラクスは顔をしかめた。
「リユ…あの男は、お前が目的で来ているのだぞ?」
「はい?」
不思議そうな顔をするリュウシにラクスはさらに続けた。
「気づかないのか!?ほぼ毎日のように、城へ頻繁に来る商売人がどこにいる!?あの男は、お前が目的なんだ!!」
ラクスは、リュウシの肩をつかむ。
その顔は、普段の冷静なラクスではなかった。
「…ラクス様…」
「いいか!?もう、あの男とは会うんじゃない!!」
必死なその形相に、リュウシは驚く。
だが、立ち上がると、ラクスの顔を見つめ、そっとキスをした。
「リユ…」
「ラクス様…私は貴方の妻です。貴方だけのものです」
そう言うと、ニコッと微笑んだ。
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