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「イヤです」
ヨベルはエノクの指差しを華麗な
ステップで避けた。
「何故!? アタシを叩き潰すんじゃないの!」
「えぇ、エノクさんは完膚無きまでに、この世に塵すら残らないぐらい、叩き潰しますよ」
「そこまでやるの!?」
「けど、今のエノクさんを叩き潰しても意味がありません」
「……どういう事?」
「今戦って叩き潰しても、
今はお互いに実力が余りありませんから叩き潰した事になりませんでしょ?」
「知らん」
「だから、エノクさんとはもっと強くなってから、場所ももっと相応しい場所、ヒエラル地方のポケモンリーグで叩き潰します」
「ヨベル……」
ヨベルは優しそうな笑みを浮かべた。
「それに、エノクさんは今、他にやるべき事がありますので。
そうですよね、博士」
その瞬間、エノクの肩に手がおかれた。
エノクがゆっくり振り向くと、
トビト博士が「やっと終ったか」みたいな顔をして、たたずんでいた。
「エノクさん、あんな事してお咎め無しなわけないでしょ?」
ヨベルは蹴り破られた扉を指差した。
「フム、では奥に来てもらおうかエノク君。
少しばかり長い話がある」
「(^ ^;)」
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