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ヘリが去った後も建物は燃え続けた。
猛吹雪でも建物の火は消す事が出来ず、
いつまでも燃え、時折爆発して建物の形を崩していった。
火が完全に消えたのは、
吹雪がやみ、
朝日が出た頃だった。
建物は原型が残らないほど崩れており、
辺りには建物の残骸があるだけだった。
ガサッ
建物の残骸の下から何か動く音がした。
ガサガサッ
音が大きくなった。
そして残骸の下から何かが這い出てきた。
それは、八歳前後の少年だった。
吹雪がやんだとはいえ、
雪山の朝は0度近くまで気温が下がっているのに、
少年は衣類を身に付けていなかった。
しかし何も持っていないわけではなく、
大事そうに黒い何かを抱えていた。
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