16人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ミィ、ミィ」
「ミジュマル……」
ミジュマルは何かを訴えるかのように鳴いた。
それを見ていたトウエンはクスリと笑った。
「『そんな事を言わないで欲しい』」
そしてトウエンは急にそんな事を口にした。
「……えっ?」
「『そんな事を言われたら私の立つ瀬が無い。私の実力が無いのは私の責任だ。けど、だからこそ私はこれから強くなるのだし、それはエノクもそうだろう』」
「私も?」
「『もし実力が足りないと思ったら、これから私と強くなればいい。それでも実力が足りないと思ったら、もっと強くなればいい。だから私のトレーナー失格などと悲しい事を言わないでくれ』……って、ミジュマルが言っている」
「ミジュマルが……?」
エノクはミジュマルを見た。
ミジュマルはトウエンの言葉を肯定するかのようにエノクを真っ直ぐ見た。
「ミジュマル!」
エノクはミジュマルをもう一度抱きしめた。
「ミジュマル、ありがとう。そして、これからよろしくね」
そしてミジュマルは、エノクの言葉に答えるかのようにミィと鳴いた。
~†~
最初のコメントを投稿しよう!