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次の日の朝、アゲロスタウンの出入口の門にむかってトウエンは歩いていた。
「……」
次の町へ行くため、朝早くから身支度を整えてポケモンセンターを後にした。
「……」
しかし、その近くにはエノクの姿はなかった。
トウエンはベッドでグッスリ眠っていたエノクを起こさず、そっとポケモンセンターに置いていった。
『良かったのか?』
とフェネが声をかけた。
しかし姿は無く、モンスターボールに入っていた。
「何がだ?」
『お嬢……、いや、エノクの事だよ』
「何だ、連れていけ、と? 馬鹿言え、連れていってどうするんだ。俺達の目的にあの子を巻き込むわけにはいかないだろ?」
『そういう事じゃ無いんだが……。まぁ、いいか』
「……?」
そうこうしているうちに、アゲロスタウンの門が見えてきた。
「……予定が遅れたな。やはり予定通りにはいかないものだな」
『ああ、本当にそうだな』
フェネはクスクスと笑いながら言った。
「ん? 何がおかしい?」
『直ぐにわかるさ』
「?」
トウエンがフェネの言葉に疑問を感じていると、
「トウエンさ~ん」
門の方からトウエンの名前を呼ぶ声がした。
その声はポケモンセンターでグッスリ眠っているはずの人物によく似ていた。
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