†第Ⅰ話†

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次の日の朝、アゲロスタウンの出入口の門にむかってトウエンは歩いていた。 「……」 次の町へ行くため、朝早くから身支度を整えてポケモンセンターを後にした。 「……」 しかし、その近くにはエノクの姿はなかった。 トウエンはベッドでグッスリ眠っていたエノクを起こさず、そっとポケモンセンターに置いていった。 『良かったのか?』 とフェネが声をかけた。 しかし姿は無く、モンスターボールに入っていた。 「何がだ?」 『お嬢……、いや、エノクの事だよ』 「何だ、連れていけ、と? 馬鹿言え、連れていってどうするんだ。俺達の目的にあの子を巻き込むわけにはいかないだろ?」 『そういう事じゃ無いんだが……。まぁ、いいか』 「……?」 そうこうしているうちに、アゲロスタウンの門が見えてきた。 「……予定が遅れたな。やはり予定通りにはいかないものだな」 『ああ、本当にそうだな』 フェネはクスクスと笑いながら言った。 「ん? 何がおかしい?」 『直ぐにわかるさ』 「?」 トウエンがフェネの言葉に疑問を感じていると、 「トウエンさ~ん」 門の方からトウエンの名前を呼ぶ声がした。 その声はポケモンセンターでグッスリ眠っているはずの人物によく似ていた。
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