†第Ⅰ話†

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「! エノク!?」 というか、本人だった。 「もぅ、寝てる間に置いていくなんて酷いじゃないですか! 起きたらトウエンさんがいないんでビックリしましたよ」 「……何故いる? と言うか、何故後から出て俺らより先に着いている? って、フェネ、お前気付いてたな!?」 「質問が多いですよ! まず何故先に私がいるかというと、私がこの町で生まれ育ったんですからこの町の裏道ぐらい知ってますよ」 「……あー」 トウエンはエノクが地元民だという事をすっかり忘れていた。 「それと何故いるか、という質問に対しては、私も一緒に行くからです」 「はぁ!?」 トウエンは唖然とした。 「何故!?」 「もぅ、本当に質問が多いですよ? さっきから何故ばっかりじゃないですか」 「いや、頼むから質問に答えてくれ」 「それは勿論、トウエンさんと一緒に行きたいからですよ」 「……ごめんエノク、全然わからない。そしてもう一回だけ言わせてくれ。何故?」
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