†第Ⅰ話†

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『別に良いんじゃない?』 「(フェネ! お前知ってたな!)」 『誤解してるようだけど、先生云々の話しは知らなかったぞ?』 「(それは、エノクが先回りしていた事は知っていたんだな)」 『まあな』 フェネはクスクスと笑った。 「(こいつ[★])」 『まぁ、それはおいといて』 「(おくなよ!)」 『別にエノクは良いと思うぞ?』 「(聞けよ! って、お前本気か?)」 『だって、道のりが同じ所までで良いって言っているんだし、このままエノクがまた同じ過ちを起こすのは嫌だろ?』 「(別に……)」 『それに、エノクがこのまま引き下がると思うか?』 「(……)」 トウエンはエノクを見た。 エノクはまだ真っ直ぐな目でこちらを見ていた。 『……なっ?』 「(……)」 トウエンは少し考えてから、溜め息をついた。 「……わかったよ」 「……本当ですか!」 エノクは本当に嬉しそうに喜んだ。
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