†第Ⅰ話†

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「ただし、本当に道のりが同じ所までだぞ!」 「はい!」 エノクは良い笑顔で本当に良い返事をした。 それを見たトウエンは、もう一度溜め息をした。 「……それじゃ、早速一つアドバイスをする」 「はい!」 「実力差のある相手、強い相手とは戦うな」 「はい!」 「……いちいち返事をしなくていい。普通に聞いてくれ」 「は……わかりました」 「じゃ、続けるぞ」 トウエンは咳払いをしてから説明を続けた。 「ただ、これには三つ説明を加える部分がある」 「加える部分?」 「まず一つ、負けてもいいバトルなら積極的に挑め」 「負けてもいいバトルって……?」 「練習試合とかの事な。強い相手とのバトルはトレーナーもポケモンも戦うだけで良い経験になる。ポケモンは相手の動きを見て、トレーナーは相手の指示を見るだけでも勉強になるからな」 「……」 「けど、負けてもいいからって負ける気で挑むなよ。勝つ気で挑まなきゃ勉強にならない」 「……」 「あー、エノク? いちいち返事をするなとは言ったが、必要な所は返事をしてくれないか?」 「はい!」 「……」
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