16人が本棚に入れています
本棚に追加
トウエンはまた溜め息をついた。
旅をしてから何だか溜め息が多くなったな、とトウエンは思った。
「二つ目は、相手が強者なら、負けられないバトルには挑むな。これは昨日エノクが体験した事だな」
「……!」
エノクの表情が昨日の事を思いだし、少し固くなった。
「勝てない相手なのに負けられないのなら、最初から挑むな。わかったか?」
「……はい」
「けど、それでも挑まなきゃならない時もあるだろう。その時に三つ目だ。それは……」
「……それは?」
トウエン間をあけてからこう言った。
「頑張って勝つ!」
「はい!? 何ですか、その最後の投げやりは!」
「仕方がないだろ、勝てない相手なのに負けられないバトルをするんだ。言える事は頑張れしかない」
「……えー」
エノクは何だか残念な気持ちになった。
「けど、強いから勝てるとは限らない」
「……どういう事ですか?」
「強者は弱者に勝てるとは限らないっていう、はなしだよ」
最初のコメントを投稿しよう!