†第Ⅱ話†

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太陽が空高く上がった頃、 街と町を繋ぐ街道に二人のトレーナーと二匹のポケモンが向かい合っていた。 一人は12歳頃の少女。 彼女の前には彼女の手持ちであるミジュマルが構えながら相手のポケモンを睨んで、少女の指示を待っていた。 もう一人は16歳頃の男。 彼の前には彼の手持ちである黒いワカシャモがただ立ちながら相手のミジュマルをただ見て、ただ出方をうかがっていた。 【炎】と【水】、【構えている】と【立っている】、【睨んでいる】と【見ている】。 対称的な二匹のポケモンはじっと動かなかった。 ずっとこの状況が続くと思われたが、少女が動くことにより終わりを迎えた。 「ディーネ、“水鉄砲”!」 ディーネと呼ばれたミジュマルは黒いワカシャモに水鉄砲を撃った。 『……』 しかし黒いワカシャモは軽く右に動くことにより水鉄砲を避けた。 「……フェネ」 男がそう言うと、黒いワカシャモはバッとディーネに向かって走り出した。
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