†第Ⅱ話†

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『……』 黒いワカシャモは右手の拳に炎を宿し、ディーネに突き出した。 「ディーネ! 右に避けて“シェルブレード”!」 ディーネは少女の指示通り炎の拳を右に避けた。 そして左手に細長い貝のような形をした刃を宿し、黒いワカシャモの懐に跳躍して刃を振った。 『おっと!』 黒いワカシャモはディーネの“シェルブレード”をバックステップで避けた。 『ふー、なかなか良い攻撃だったぜ』 「……フェネ“ブレイズキック”」 黒いワカシャモは右足に炎を宿し、ディーネに回し蹴りを繰り出した。 「ディーネ、受け止めて!」 少女は避けきれないと判断した。 ディーネは少女の指示に従い、“シェルブレード”で“ブレイズキック”を受け止めた。 「……!」 『オラ!』 しかし“シェルブレード”は砕け、ディーネは蹴り飛ばされた。 「ディーネ!」 ディーネは木にぶつかり、そのまま倒れた。 しかしディーネは膝をついて立ち上がろうとするが、今にも倒れそうだった。 「……」 それを静かに見ていた少年は、 「そろそろ休憩にするぞ」 と言った。 「でもトウエンさん……」 「ディーネはもう戦えんだろ。それに」 少年は真上に指を指しながら言った。 「もう昼飯の時間だぞ、エノク」 ~†~
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