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『……』
黒いワカシャモは右手の拳に炎を宿し、ディーネに突き出した。
「ディーネ! 右に避けて“シェルブレード”!」
ディーネは少女の指示通り炎の拳を右に避けた。
そして左手に細長い貝のような形をした刃を宿し、黒いワカシャモの懐に跳躍して刃を振った。
『おっと!』
黒いワカシャモはディーネの“シェルブレード”をバックステップで避けた。
『ふー、なかなか良い攻撃だったぜ』
「……フェネ“ブレイズキック”」
黒いワカシャモは右足に炎を宿し、ディーネに回し蹴りを繰り出した。
「ディーネ、受け止めて!」
少女は避けきれないと判断した。
ディーネは少女の指示に従い、“シェルブレード”で“ブレイズキック”を受け止めた。
「……!」
『オラ!』
しかし“シェルブレード”は砕け、ディーネは蹴り飛ばされた。
「ディーネ!」
ディーネは木にぶつかり、そのまま倒れた。
しかしディーネは膝をついて立ち上がろうとするが、今にも倒れそうだった。
「……」
それを静かに見ていた少年は、
「そろそろ休憩にするぞ」
と言った。
「でもトウエンさん……」
「ディーネはもう戦えんだろ。それに」
少年は真上に指を指しながら言った。
「もう昼飯の時間だぞ、エノク」
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