†第Ⅱ話†

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「練習を始めた一週間前よりは、随分と上達している。今回のバトルは最初の方は良かったと思う」 『ああ、俺の攻撃を避けてからの“シェルブレード”はなかなかだった』 トウエンの言葉にフェネは頷きながら同意した。 「……最初だけですか?」 しかしエノクは二人の賞賛の言葉を不満そうに聞き返した。 『まあな。俺の“ブレイズキック”を受け止めるのは進化前のディーネじゃ無理だろうな』 「……」 エノクはフェネの答えを聞いて、さらに不満そうに頬を膨らました。 その子供っぽい仕草にトウエンは苦笑しながら、フェネの言葉を付け加えた。 「別にフェネは進化前のディーネが弱いって言っている訳じゃないぞ。進化前でも強いポケモンもいるしな。けど、進化前のポケモンは進化後のポケモンより力が弱いのも事実だ」 「……」 「それに進化云々を抜いても、フェネとディーネには経験と実戦の差があるだろ? だから力に差があるのは当然だ」 「……うー」 それでも納得した様子ではないエノクに、トウエンは溜め息をはいた。 「もしかして、まだ研究所の事を気にしているのか?」 その言葉にエノクはピクリッと肩をふるわせた。
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