†第Ⅱ話†

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その日、エノクはトウエンを引きずりながら早朝を走り抜けていた。 「うおーーーーーーーーー!」 「エノク、落ち着け! こんな朝早くに行ってもまだ寝てるだろ! と言うよりいい加減手を離せ! いつまで俺を引きずるつもりだ!」 「うおーーーーーーーーー!」 「って聞いてないし……、ハァ」 エノクのスルーに対して、トウエンは引きずられながら溜息を吐く地味にすごい芸当をしていると、前方に研究所らしき建物が見えてきた。 周りの建物より二回りぐらい大きく、玄関には<トビト研究所>と書かれた看板が掲げられていた。 「……ん?」 エノクは看板の前に女の人影を見つけた。 (あれは、トビト博士……いや、博士はもう少し背が高いか。……もしや!) その人影はエノクと同じ位の背で、同じ位の年齢をした少女だった。
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