嵐ヶ丘

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「あ、それ食べちゃダメだよ」 腹減ったな まあいいけど それにしてもこの靴おもいな 「早くしてよ。まにあわなくなる」 「何にだよ?」 るーるるー。るーるるー。意味ないから ああ、だりぃ。早く帰りたい。 そういや帰りの電車賃ねーや。 「金貸せやゴルァ」 「いやだ」 即答 じゃあどうすんだよ。俺にこの山奥で野垂れ死ねってのかい。 「遅い」 こっちは重い鞄背負ってんだよ 「おい。 俺はあと何時間この重たい鞄をもって歩かなければいけないんだ?」 「あと五時間くらいかな」 「ジョー・クラッツもびっくりだい」 「だれそれ?」 「まじめに授業うけてろよ」 「あんな眠くなる話まじめに聞いてるやつの気が知れないわ」 のくせにテストの点は良いんだ。ムカツクやろーだぜ。 あー。なんでこんなことになったんだろうか。 何年前だろう? いつかの春。 少女は言った 「一人が死んで多くの人の命が救われるなら、その'一人'の人間は死ぬべきだと思うの。 それでね、死体は麻袋に詰めるの。 でも必要なのは脊髄と脳だけだから、他は途中で捨てちゃっていいよ。 あとは銀で作ったフォークとナイフ。 時間はまだ決まってないけど、星の位置関係からここ数年の間になる思う。
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