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ここはどこだろう? 首だけ動かし辺りを見渡すと... 壁に大きな布がかかっている。 その布には、巨大な蛸のような生物が、描かれていた。 (気持ち悪りぃ) まるでその絵が放つ、邪悪な気に中てられたように、体かだるくなってきた。 これ以上見てるとヤバそうなので、見るのをやめる。 ...ジュッ 何かが融ける音がした。 灰色の壁に無数の穴があき、そこから銀色の球体が転がりでてくた。 手にとって見る。 大きさは拳大、発泡スチロールみたいに軽い。 (これはなんだ?) ほどなくして、わかる。 これは卵だ。 球体が割れ、茶色い半透明の物体が出てきた。 不定型の身体だったが、目や口、生物的な器官は有しているようだ。 それは、無数の毛を器用に動かし、地面を這った。 だんだんと、一ヶ所に集まっている。 数十体のそれが、集まり、人型となった。 「やあ。君とは初めましてかな?」 それが話かけてきた。 「どうだい。なかなかの演出だっただろ」 体が動かない。 心臓さえ止まっているような中、僕の感覚は、視覚、聴覚に集中した。 「これの意味がわかるかい?」 そう言って、それは卵の殻をつかみあげた。 「次までに答を考えといてくれ」 意識がだんだんと薄れていく中、最後に声を聞いた 「君には期待してるんだよ」
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